理法魚(りほぎょ)男子の役立つブログ🌟

漁村生まれの理系法律男子が「悩んでる人」に役立つ知識を配信するブログです。

そこそこ稼げて、家庭との両立に向いている特許事務の仕事とは??

こんにちわ。りほぎょ(理法漁)男子です。

 

僕は、大手特許事務所に勤務しているため、弁理士や特許技術者(実務)の仕事の他、特許事務の仕事にも詳しいです。なお、大手特許事務所の前は小規模の特許事務所に所属していました。

 

僕が勤めている事務所の特許事務は、好きなだけ有給を取得できる、定時に帰れる(お金がほしい人は残業しています)、子供が風邪を引けばいつでも休める、年収が高い。

 

それにもかかわらず、実務の仕事と比べれば、考えられないぐらい楽です。そのため、家庭、特に子育てと両立しているお母さんが多く働いており、ほとんどの人が満足しています。

 

そこで、転職を考えている人、例えば、お金がほしいけど家庭と両立させたい人や、そこそこお金をもらって早く帰りたい人などに向けて、特許事務の仕事の内容について記事を書きました。参考にして頂ければ幸いです。

f:id:mmhkun:20190803114002p:plain

 

 

特許事務所について

特許事務所とは、弁理士が特許、実用新案、意匠、商標など、特許庁における手続を行うための業務を処理するために開設された事務所です。ほとんどの特許事務所は、主に特許に関する業務で収益をあげています。

 

特許事務所は、100~700人程度の所員を有する大手特許事務所から、数十人~100人程度の中堅事務所、数人~10人程度の小規模事務所、弁理士一人の事務所などがあります。

 

クライアントは、メーカーや個人発明家などがいますが、メーカーをクライアントとしている事務所がほとんどです。また、海外メーカーも日本で特許を取得することがあり、逆に日本メーカーも海外で特許を取得することがあります。そのため、海外の弁理士(代理人)や海外のメーカーの方と、主に英語でコミュニケーションを取ることが多く、グローバルな仕事内容となります。

 

ここで勘違いしないでほしいことは、特許事務所によっては日本の仕事しかない事務所もありますし、逆にほとんど海外の仕事の事務所もありますし、両方の仕事がある事務所であっても日本の仕事しかしていない特許事務もいます。

 

これから、特許事務の仕事について詳細をお話しますが、「特許」=「難しい」は偏見にすぎません。特許事務は、実務者と違って特別なスキルは要求されませんし、英語ができれば有利である程度です。

 

特許実務と特許事務との違い

特許事務所の仕事は、特許実務と特許事務に分かれます。もちろん、大手特許事務所では、総務や経理といった事務もいます。

特許実務の仕事

特許実務の仕事が特許事務所の主な業務になるため、難しく感じるかもしれませんが、まず、特許実務の仕事の概要を説明します。なお、特許実務の仕事は、理系の専門知識+法律の知識+英語のスキルが要求されますが、特許事務の仕事は、高いスキルは要求されません。

 

「実務」とは、弁理士と特許技術者が行う業務のことを示します。詳細には、主にメーカーのクライアントから発明相談を受けて、その発明に基づいて特許明細書等を作成し、特許庁に対して手続きを行ったり、特許庁の審査結果に対して意見書や手続補正書を提出したりする業務をしています。

 

他には、情報提供、異議申立、拒絶査定不服審判請求、無効審判手続などや、時には侵害訴訟、審決消訴訟等の訴訟に代理する場合もあります。

 

海外のクライアントが日本で特許を取得したい場合には、他言語で作成された特許明細書等(英語でなければ、基本的には英語バージョンを添付してくれます)を日本語に翻訳したり、日本の特許庁の審査結果を英語に翻訳して、海外のクライアント(海外の弁理士が代理している場合もあります)に報告したり、日本の法律に基づいた意見を記載した英文レポートを作成したりします。これに対して、海外の代理人からの指示(主に英語)に基づき、意見書等を作成し、日本の特許庁に手続きを行ったりします。

 

また、日本のクライアントが海外で特許を取得したい場合には、上記と逆のことを行います。例えば、日本のクライアントと相談した上で決定した事項や指示等を、海外の弁理士(代理人)に対して英文レターや電話等(主に英文レター)で指示を出し、その国で手続きを行ってもらったりします。

 

特許事務の仕事

特許事務の仕事は、実務の仕事をサポートする仕事です。サポートといっても、専門的な特許明細書等の内容には一切かかわりません。というか、専門知識がないため、ほとんどの事務は理解していません。

 

具体的には、

・実務が完成させた書類(基本Word形式)を特許庁に手続するためにデータに変換する。

・その変換したデータをインターネット経由で特許庁に提出する。

・専門知識等が不要な定型があるような書類、例えば審査請求書等の書類を作成し(ソフトをクリックすれば勝手に作成されます)、それを特許庁に提出する。

・提出した書類をクライアントに報告する。

・上記の通り、日本のクライアントが海外で特許を取得したり、海外のクライアントが日本で特許を取得するための代理業務を行っている事務所では、海外からきた英文レター等を実務者に報告する。実務者が作成した英文レターを海外の代理人やクライアントにメールで送る。

・特許事務によっては年金を管理をしている人もいます。年金とは、特許を継続するために一年単位で支払わなければならない特許料金です。

・名義変更や権利者の移転手続きなど、その他の仕事もありますが、特許事務は主に上記のような仕事を行います。

 

特許事務所自体は、特殊な仕事をしているように見えるため、「特許事務」と聞くと難しいように思えますが、一般企業のマネージャーを経験した僕からすると、一般企業の事務とさほど変わりません。

 

特許事務の待遇

特許事務の待遇は、特許事務所によって大きく変わります。僕は大手特許事務所に勤める前は、小規模の特許事務所に所属していたため、違いが良くわかります。大手特許事務所の方が待遇が良い場合が多いです。そのため、特許事務の転職を考えている人は、大手特許事務所をおすすめします。

 

僕の勤めている大手特許事務所(事務所(A)とします)は、待遇がかなり良いため、全ての特許事務所に当てはまるとは言えませんが、だいたいの待遇を以下に紹介します。また、僕が以前勤めていた小規模特許事務所(事務所(B)とします)の待遇についても紹介します。

 

大手特許事務所(A)

給料

特許事務の年収は、300万円~1000万円程度です。300万円というのは1年目は試用期間だからです。僕の担当事務に聞いたところ、20代後半で残業を抜きにして年収460万円でした。これに残業代がプラスされます。

1000万円というのは、50代のある部門のリーダーの年収です。

 

勤続年数、年齢及び残業時間にもよりますが、大半の人が500~700万円程度だと思います。

有給

有給は基本的に全て使えます。僕の担当事務は全て使ってるみたいです。羨ましい(笑)。他の事務の休みを見ていると、ほとんどの事務が、良く休んでいる印象があります。

残業

残業は人によってかなりの差があります。子供がいる人は早く帰っており、定時に帰っている人も多いです。特許事務が家庭との両立に向いているのは、子供がいる人等は調整してもらえるからです。僕の担当事務でシングルマザーの人は常に定時に帰っています。

 

一方、お金を稼ぎたい人は残業できます。僕の部門で最も残業をしている事務は、実務である僕よりも、遅く帰ることがほとんどで、仕事量は多くないのにダラダラ残業している印象があります。でも、昔からの大手特許事務所は会社と違ってゆるゆるなのでこれが許されてしまうんです。その人は残業代だけで20万円は超えていると思います。事務所としては無駄経費ですが・・・(笑)。

 

退職金

特許事務所は、退職金制度が充実していないところが多い。というか退職金自体ない事務所が多いです。そういう意味でも、退職金制度が充実している大手特許事務所に転職すべきです。事務所(A)は大手メーカーと同じくらいの退職金が貰えます。

 

早退

 事務所(A)では、介護をしている人や子供がいる人は優遇されます。特に子供が小さい時は、熱を出したり、風邪を引いたりすることが頻繁に起きますが、他の事務が協力してくれて簡単に早退することができます。そういう意味でも、特許事務の仕事は家庭との両立に向いていると思います。

 

小規模特許事務所(B)

給料

 特許事務の年収は300万円~500万円程度です。これは、小規模特許事務所ではよくある年収です。

有給

有給は夏休みの3日間は必須で、何かあれば有給が取れます。ただし、全て使うというわけにはいきません。人数が少ないため、簡単には休めないのです。

残業

残業は基本的には少ない。所長は定時に帰ることを望んでいます。特許実務はお金を生み出しますが、特許事務が残業すると経費となるためです。

退職金、早退

退職金制度はありません。

早退はしにくいです。人数が少なく、その人の仕事を分散できないからです。

 

 

共通して言えることが、特許事務は早く帰れて、有給が比較的取りやすいということです。また、デスクワークであって力仕事でないため、体力の消耗は抑えられます。そういう意味で、家庭との両立はしやすいと思います。

 

ただ、上記の比較からわかるように、優良大手事務所と小規模特許事務所とは、待遇が全然違います。優良大手事務所に転職できれば、子育てがしやすく、給料が高いため、最高の人生が送れると思います。まさに、そこそこ稼げて、家庭との両立がしやすいに完全に当てはまるのが、優良大手特許事務所だと思います。

 

特許事務の他の利点

特許事務は、専門知識が必要ないとはいえ、経験しているうちに、特許に関する多くの知識が習得できます。最初は点であったものが、いつの間にか線となって繋がります。線になるためにはある程度経験を積まなくてはなりません。

 

そのため、特許事務の経験がある人は、他の特許事務所に転職しやすくなります。また、規模を問わなければ、特許事務所は全国に数えきれないほどあります。そういう意味で、職を失うことが少なく、事務所がつぶれても大丈夫という安心感がもてるため、楽な気持ちで生活できるのではないでしょうか。

 

なお、経費を抑えるために、特許事務の人数が異常に少なく、残業が多い事務所もあることに注意してください。いくつかの大手特許事務所の実務と事務の人数の比率を調べ、これを転職を考えている特許事務所と比較すれば、事務の人数が少ないかどうかがわかります。また、転職する際に残業時間等の待遇を必ず確認してください。

 

まとめ

本記事では、特許事務の仕事について紹介させて頂きました。

 

特許事務は、特許実務のような専門的な知識は求められません。その割に、そこそこ給料がもらえて、早く帰れるし、有給が取りやすい点で、家庭との両立に向いています。

 

また、優良大手特許事務所と小規模特許事務所では、待遇に大きな違いがあります。しかし、仕事内容はあまり変わりません。そのため、優良大手特許事務所に転職することをおすすめします。給料面や有給取得の他、優良大手特許事務所は、事務の人数が多いため、子供が風邪をひいた時でも早退しやすいという利点もあります。小規模特許事務所では、融通が利かない場合があることにご留意ください。

 

さらに、特許事務所は、全国(東京と大阪中心です)に数えきれないほどあるため、特許事務を経験していると、いつでも転職できるという利点もあります。

 

特許事務に興味がある方は、僕のツイッターで質問をして頂ければ、可能な範囲でお答えします。